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セルフヌード
第3章 愛玩


「ねぇ、花蓮」

「ん?」

「私、感覚おかしいよね」

「……どうしたの?今朝だってぎりぎり到着だったし。寝坊かと思って一瞬私、焦ったよ」

「美優ね、結婚している男がいるんだ」

「えっ……」

「私はそれで構わなかったよ。知ってたし。私も美優のこと言えないし。お互いそういうのなしにしていたつもりだったのに、傷つけちゃった」

「──……」

「大体、物理的に無理じゃない?人間は星の数だけいて、その中のたった一人しか選んじゃいけないなんて。ネコさんを取っ替え引っ替えしているんじゃない。皆を愛してる。それって、いけないかな」

「一般的には」

「…………」


 その一般的感覚とやらが理解出来ない。理解し難い。



 それでも、と、仮定する。

 あの自虐的な姫君が、本当に、本当に愛を傾けてくれるのだとする。なつみは全ての花達を、見限っても良いかも知れない。



「ウチ、……お母さん、不倫してるの」

「そうなんだ」

「だけど昔から家族ぐるみで仲良くて。どっちが親だか分かんなくなるくらい。そういうのが普通なんだと思ってた」


「──……」
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