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セルフヌード
第3章 愛玩
* * * * * * *
清澄な緑の夜風がたゆたう午前零時前。
ある施設の一角に、男が一人、下半身を露出していた。
色彩の薄れた髪に、年季の入った褐色の顔。肉欲に血走る野生の目が、裸体の女を威迫していた。
「舐めろ」
女が男に跪く。長い黒髪を背に流し、恭しく男のペニスを唇に収める。
「んっ……」
ずぶっ……がんっ……がんっ……
「んんっ、うっんん!……」
ずぶっ、ずんずんっ……どんっ、ずぶ……
男が女の喉を突く。女の顔の窪みを正鵠にして、振動運動を繰り返す。
女の顔が苦悶に歪む。それでも女は、従順に機能するロボットよろしく、男のペニスに咥えついて離さない。
はしための舌が、男の顔に法悦を及ぼす。はしための舌が、男の顔に絶頂を昇らしめる。
「ぅ……くゎ……」
「っ……ん!……んっ!」
白濁が女の唇の端を伝いかかった。
男は肉の塊を女に植えつけたまま、コーラルピンクのオナホールを握り込む。
「飲め」
「っ……」
「飲め!一滴も余すな!」
「んっ……ふ、んっ」
ごく、と、女の喉が数回鳴った。
吐き出すものを吐き出した、男の情欲の容れ物が、女の口を解放した。
男が糸の切れたマリオネットを抱き上げて、ソファに上げた。かさばる荷物を扱うように、クッションシートに臀部を浅くかけた女の脚を開き、割れ目の具合を指で探る。
「欲しいのか」
「いえ、……」
「欲しくてだらしなくしているんだろう。わしのものが欲しいのか!!」
女の顔が青に染まった。
鬼の形相をした男の目。たゆたうはしための自我を殺める男の声は、ともすれば女の一切を侵凌している行為そのものに打ち顫えていた。