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セルフヌード
第3章 愛玩

「…──で、……さい」

「何だと?」

「くち、を……塞いで下さい。……子供達を起こしてしまいませんように……」

 男の目に残忍な快楽の焔が灯る。血縁を持たない娘や息子と、数時間前まで無邪気に笑っていた養父の顔は、どこにもなかった。



「あぁっ」


 男の片手が女の頭を掴み上げた。


 純朴で、そして強かな顔かたち。昼間は陽気な子供好きの女にも、職員の顔は見られなかった。


「何が……欲しいんだ?え?」

「──……」

「そうか。何もいらないか。ならば家族もいらないか。……」


 女を絶望の様相がまとう。青白い女の唇が、嘆願の声音をしたためて、青白い目が男をねめる。



「理事長の……ペニスを下さい。可哀想なあたしのお腹に、理事長の……美味しいザーメンが欲しいです……」


 恍惚が、男を飲み込む。

 男の目は、女の肉体にこだわらなかった。体内も。


 崇め、怖れ、男に傅く愛玩動物。…………


 絶対的な服従が、男をいくらでも漲らせる。

 男は女の唇をめくり、ローターを二機埋め込んだ。コンセントをおとがいに垂らして、ガムテープで封をした。







第3章 愛玩─完─
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