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セルフヌード
第4章 光と闇
「美優ほんとに可愛い!似合う!こういう人形売ってるよ!修道女の普段着みたいなのも良いけどさ、これくらい脚、出しなよー。見て見て、美優のエローい身体の線も、こっちの方が引き立ってる。どうしよー、こんなに可愛いと脱がせるのもったいなくなるじゃーん」
「……有難う。でも、やっぱり」
「似合うから心配しないで。かおりさん、今試着した分、全部包んでおいて下さい」
「了解」
「悪いわ、ダメっ、かなりあったし」
「良いから。私って人気はあるのに誕生日祝える人とかいなくって。今年の分は、美優でお祝いさせといて」
「──……」
「嶋入さん、美優さんおリボンとかつけられる?」
「美優似合うよねー。かおりさんつけてあげてきて下さい」
「ぇっ……」
「分かりました。さっ、美優さん、こちらのドレッサーへどうぞ」
美優はかおりに引き連れられて、低反発のスツールに腰を下ろした。
「慣れないので、痛かったら仰って下さいね」
「いえ、プロの方にそんな、……」
「こういうのは素人です。いつもはお客様の髪を結ったりしません。サービスですから、ここだけの内緒でお願いしますね」
かおりが悪戯っぽく笑った。
姫君の覗くような鏡の中で、美優の髪が、複雑な編み込みに結われてゆく。
途中、美優はかおりの意味深長な視線を感じた。
そうして時折、不自然に向けられてくるかおりの黒目。明らかに美優を観察していた。
店員だって人間だ。腹の底では場違いな客を嗤うのだろう。
ふと、かおりが声を潜めてきた。