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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第3章 噂の姫君
「薫子は昔から嘘をつくのが下手だったわね。今も全然変わらないんだから。さ、もっと近くに来て顔をよく見せてくれなくては駄目よ」
「姉上」
 薫子は姉の側に寄り、その手を押し頂き自分の頬に押し当てた。わずかに三つ年上なだけなのに、いつも大人びている姉は薫子の憧れであったのだ。
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