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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第2章 酔芙蓉の簪(かんざし)
 そんな状態が三日間続いた。熱は上がったり下がったりを繰り返し、三日めの朝には何とか落ち着いた。その間、薫子は店も休んでずっと男の枕頭に侍って看病を続けた。もっとも、薫子にできるのは頭を冷やしたり、男の汗を拭いてやったりする程度のものだったが。
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