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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第29章 【あとがき集】
  あとがき

 十月も半ば近くなり、秋めいてきました。朝夕はもう肌寒いくらいですね。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
 さて、三ヶ月に渡り書き継いできた平安物シリーズ、いよいよ今回をもちまして完結とあいなります。平安時代を舞台に、外戚である藤原氏からの束縛や圧迫を受けつつも、血という絆と天皇という立場の狭間で葛藤する若き帝と、彼を愛したために政争にまで巻き込まれてしまう少女の物語です。
 平安時代は私の割と好きな時代で、江戸と戦国、鎌倉と並びます。
 こちらではお久しぶりなので、とても不安ですが、最後まで読んで下さり、少しでも心に残ったもの、感じて頂けたものがあれば幸いです。
 さて、この物語を書いている最中に、私はあることに気付きました。というのも―。
 そういえば、私、「三種の神器」をモチーフにした時代物を去年と今年と相次いで書いてるんですね。何か他人事みたいな言い方ですが、自分では殆ど意識してなかったので、このシリーズの第二話でそのことに改めて気付き、ああ、そうだったんだと今更ながらに思いました。
 去年、鎌倉時代を舞台にしたかなりの長編「華鏡」を書きましたが、あの第一話は実は壇ノ浦で死んだはずの安徳天皇が生きていて源頼朝を仇討ちで殺害するという話でした。あの時、三種の神器の「草薙剣」をモチーフに使いました。
 そして、今回の「八坂 曲玉」。これは本当に意図したわけではなかったので、偶然にしてはちょっと面白いかなと思いました。そして、ここまで来たら、「三種」ですから、残りの一つを描かない手はないなと―笑。というわけで、来年は是非、時代物で「三種の神器」のトリである「八 の鏡」をモチーフにした作品を書いてみたいと思います。
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