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月下の契り~想夫恋を聞かせて~
第8章 天下の大義賊
 宮中においても二人だけのときは市井で暮らしていた頃のように、〝承平さん〟と呼んでいる。それは薫子がというよりは帝の方から言い出したことでもある。
―お前から〝主上〟なんて澄ました顔で敬語を使われた日には、何か背中がムズムズして落ち着かないんだ。
 と、かなり失礼なことを言われた。
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