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人妻の欲望 ――短編集――
第1章 同窓会

たくさん人がいるのに、部屋は一部屋だけ。
もちろん隣と近くなってしまい、密着してる。
周りのお酒の臭いが、私を少し興奮させる。
「ちょっとトイレ……」
「京子さん、行けますか?大丈夫っすか?」
私はうなずきながら、周りの声を無視してトイレに入る。
とりあえず鏡に向かい、自分を見てみる。
頬は赤らんでいて、
セミロングの茶髪、軽くパーマもかかってて、
白いシャツは良い感じに乱れてる。
自分でも見とれるくらい、誘惑できそう。
「よし!」
そう言ってトイレを出ると、
「あっ、大丈夫ですか……?」
お世辞でもイケメンとは言えない冴えない顔の鈴木君がいた。
鈴木君の目線は私の胸を見てる。
「あら、鈴木君もトイレー?」
「あっ、うん、トイレ行こうと思って。」
私の頭のなかに、もう旦那のことなんか無かった――――
「鈴木君、こっちのトイレ使おう!」
「えっ……ちょ……」
とまどっている鈴木君の手を引っ張り、トイレのなかへ連れ込んだ。
「ごめんね……私ちょっと酔ってるのかなー……」
私は鈴木君の胸元に飛び込んだ。
「ちょ……ちょっと!京子さん!だ……大丈夫ですか?」
私は豊満な胸を押し当てて、ぎゅーっと抱きしめた。
外見からは想像できない男性の臭いがした。

