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それでも・・愛してる
第8章 比べてみても・・
陽斗が立っているのが見えた。
ほのかなオレンジ色の光を放つ街灯の下で、
行きかうサラリーマンたちやカップルを目で追っている。
その中に私の姿を見つけようとしているのかなって、勝手に想像したら
急に心拍数が上がった。
斜め後ろから陽斗の腕に肩でぶつかる。
油断していたのか、おぉっと驚いた表情で振り返る陽斗に、目を細めて笑顔を向けた。
「お疲れさま、お待たせしました」
「脅かすなよ~それでなくても驚いてんのにさ。
美鈴から誘ってくれるなんて」
私の顔を覗き込むその瞳。
ドキドキするほど色気を感じる・・
思わず目を逸らしてしまった私に、
「あれ?なんかもしかして・・美鈴、オレに魅かれはじめちゃったかぁ?」
陽斗は得意そうに言い放った。
「はぁ?ポジティブだねぇ、望月くんは。ま、そのほうがいいけどね。
はいはい、そういう事にしておきましょうかね」
ばかばかしさを装いながらプイッと背を向け一人歩き出す。
待ってくれよと追いかけてくる陽斗の靴音が、その慌てぶりを表していた。