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それでも・・愛してる
第8章 比べてみても・・

「どうしたんだよ、ほんとにご機嫌斜めだな。なんかあったのか?」

眉をひそめた陽斗の顔にチラリと視線を送ってから、口をとがらせ頬杖をつく。

「ううん・・特に何があったってわけじゃないんだけどさ・・なんか考えちゃって・・」

「なにを?何を考えさせられたんだよ?」

不思議そうに私の顔を眺めまわしていたが、
焼鳥が運ばれてくると気持ちは一気に香ばしい匂いを放つ焼鳥へと向いたようだ。
お腹が空いていたのか、話もそこそこに焼き鳥にパクつく陽斗を見ていたら、
その存在感が急に大きさを増していく感じに襲われた。

・・やっぱり誰かが傍にいるっていいな・・

じっと見つめていると、その視線の重々しさに、陽斗は顔を赤らめた。

「おい、そんな目で見つめられたらさぁ、本気で今夜がんばっちゃおうかなぁって、
 思っちゃうぞ、オレ」

ふざけているようで本気モードをにおわせる陽斗の言葉を、
あざ笑うように否定する。

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