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それでも・・愛してる
第8章 比べてみても・・

「おい、けっこう酔ってるだろ。そろそろやめておけよ。
 明日、仕事じゃないのか?」

不安げな陽斗が顔を近づけてくる。

「明日水曜日でしょ?不動産屋はお休みなのよぉ。だ・か・ら!だいじょうぶ・・」

酒に弱いわけじゃないのに、今日の私はめずらしく酒に飲まれていた。
まだこれが3杯目なのに。
幸い、体はまだ揺れていない。
これで揺れ始めたら、そろそろまずいことになってくる。
男には見せたくないような、姿を披露することになるかも・・


「そろそろお開きにしたほうが良さそうだな。
 今のうちに送っていく方が、オレの身のためかも」

私の手の中から焼鳥の串を取り上げると、
手の甲をポンポンと軽くたたいて立ち上がる合図をした。

「ごちそうさま、また来るよ」

「はいよ、ありがとね。彼氏、がんばんなよ」

そんな会話がぼんやりと耳に入ってきたが、
私の意識は半分くらい煙りの中、だった。



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