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それでも・・愛してる
第9章 姉と過ごす休日・・
ランチの後にはもちろんショッピング。
これをしなくて何をする、と張り切ってあちこちの店をのぞいて歩いた。
勢いがつくと止まらないのが女の買い物だが、さすがに体は疲れてきた。
気がつけばもう4時近く。
いつもだとそろそろ帰る時間なのだが、今日はまだ大丈夫だと多佳子は言う。
「ちょっと早いけど、たまには飲んじゃおうかな、ビールでも」
「あらめずらしい!でも子供たち大丈夫なの?
早く帰って夕飯の支度するんじゃないの?」
「今日ね、伸幸がお休みで家にいるの。
私がみーちゃんと出かけるっていったら、その日に合わせてお休み取ってくれたのよ。
たまにはゆっくりしておいでって」
よくよく聞くと、以前休日出勤した分の振り替え休日らしいけど、
わざわざ妻の予定に合わせてくれるなんて、
いつもながら伸幸の優しさには感心させられる。
「子供たちも美鈴ちゃんといっぱい遊んできなよって、パパがいるから大丈夫ってさ」
彼らの言葉がよほどうれしかったのか、話しながら多佳子の瞳はほんのり赤く染まった。
「お姉ちゃんと外で飲むの、久しぶりだね。よしっ!じゃあさっそく行きましょう!」
さっきまで重くなっていた足取りは、急激に軽さを増していった。