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それでも・・愛してる
第10章 気になる親子


賃貸相談の接客も、少しづつだがこなせるようになっていき、
契約前の段階までは一人で出来るようになってきた。
土日ともなると静江さんと私の前にそれぞれお客が座るなんて事も
めずらしくはなくなってきた。

今日は日曜日だから普段よりは忙しいかな、と
それに合わせて気持ちをスタンバイさせていたが、
わりと静かに時間が過ぎていった。


午後になって、店の外に貼ってある物件案内を
長いこと見ている人影が目についた。
座りながら外の様子を見ていると、そこにいたのは
まだ幼い男の子を連れた若いお父さんだった。
さっきから眺めてばかりで、なにか聞きたいんだったら中に入ればいいのにって、
私は気になり始めていた。

隣りに座る静江さんも気になっていたようで、
私が視線を向けると、声かけてみるわと立ち上がって表に出て行った。


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