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それでも・・愛してる
第13章 溢れ出る想い、それぞれ・・
駅から少し歩いた場所の、大手スーパーのビルにある庭園の中のベンチに腰掛けた。
ちょっと待ってて、と私を残して陽斗はどこかへ行った。
5分ちょっとで戻ってくると、手にはコンビニの袋を下げていた。
「たまにはベンチビアガーデン、なんてどうよ?夜風が気持ちいい季節だしな」
袋から缶ビールとフライドポテト、それにチーズまで並べだした。
それを見て笑った私を見る陽斗の眼差し。
おだやかに、私のすべてを包み込んでくれそうな優しさにあふれていた。
「目の前で女に泣かれる、なんて何年振りだ?
他人に見られるのは恥ずかしいけど、心の中はかなり揺れたぜ」
彼の笑い声と缶ビールを開ける音が重なる。
手渡されたビールを口に含むと、アルコールはすぐに、
上下した心を落ち着かせてくれた。
私の様子に一安心したのか、陽斗は居ずまいを直してから聞いてきた。
「仕事のミスってことはないよな・・また心をかき乱されたか?そうだろ?」