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それでも・・愛してる
第13章 溢れ出る想い、それぞれ・・

「そっか・・幸せなものなのか・・」

今日の出来事を話す前にビールを一口飲んだ。

「・・今日ね、結婚前のカップルを物件案内したんだけどね、彼らに言われたの・・
 なんで結婚してないの?って。彼氏がいるでしょう?って。
 そんな相手いないのに・・」

さらにもう一口、ビールを飲んだ。

「言われた瞬間ね、思わず望月くんの顔が浮かんじゃった。
 そういう相手じゃないのにね。でも一瞬気持ちが軽くなった。
 私にも候補はいるわよって。だけど・・
 そうやって見栄を張る自分が情けなく思えて・・」

作り笑顔は長持ちしない。
せっかく彼を安心させる様な表情を見せたのに・・

「いいじゃないか、見栄張ったって。みんなそうだよ。
 オレだって、はれてシングルだなんて言ってるけど・・
 これも一種の見栄だよ。ほんとは寂しいくせにさ・・ 
 だけどそうでもしなきゃ気持ち保てない時ってあるじゃないか。
 誰に迷惑かけるわけじゃないし。いいぞ、オレのこと彼氏だって、
 見栄でも本気でも。ま、どっちかっていうと本気が良いけどな」

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