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それでも・・愛してる
第14章 充実した休暇・・・あの親子と
目の前のガラス窓に貼ってある物件案内にチラッと視線を送ってから、
滝川さんの様子を探った。
が、せっかく合わせた目はすぐに逸らされてしまった。
それでも負けじと彼に話しかけた。
「もし迷ったりわからないことがあったりするなら、
私、お手伝いしますよ。
あ、別にうちの店じゃなくてもかまいません。
今この店に入って一緒に話聞くのでもいいですよ」
私の言ってることに、かなり驚いている。
そりゃそうだ。
だって、よその不動産屋で物件紹介頼むのに付き合ったって、一銭の得にもならないのに、
この人どういうつもりなんだろう?そう思うのが普通だ。
「でも・・あなた、お仕事中じゃ・・」
・・お!反応してくれた!・・
「今日から5日間の休暇でして。スーパーで買い物して帰るくらいしか用ないですし。
じゃあさっそく入ってみましょうよ!大丈夫、私が不動産屋だなんて言わないですから。
滝川さんもそのつもりで。適当に話合わせますから。ね、さあ」