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それでも・・愛してる
第14章 充実した休暇・・・あの親子と

部屋を借りるには時間がかかる。
申し込みをして賃貸契約を結ぶための審査と受けて、
それが通って晴れて借りることができる。
そしてもちろん、引っ越しもしなければならないのだから、もう時間的にも
限界に近いのではないだろうか。

「だから私、お手伝いします」

ここまで乗りかかった、というより
自分で勝手に乗り込んだ船だ。降りるわけにはいかない。
私が休みの間にこの親子が住む部屋を決めなければ、と異様なまでに
滝川さんと優太くんに気持ちがのめり込んでいた。

「ほんとに・・いいんですか?」

滝川さんも、そして優太くんまでもがすがるような目をして私をじっと見ている。

「もちろんです。じゃあさっそくさっきの不動産屋に電話して、
 この・・2件のお部屋見せてもらいましょう、明日。どうです?」

「はい、あの・・お願いします」

深々と頭を下げて、今にも泣きそうな滝川さん。
こんなにも愛する人のために一生懸命になれる男に愛されている奥さんの事を、
羨ましいと素直に思った。

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