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それでも・・愛してる
第2章 新しく進む道・・
ガラッと戸を開けると、入り口向いて並んで座る私たちを、
茜は指差して笑い出した。
「ちょっとぉ、なに雛人形みたいに座ってんのよ。
戸開けてすぐ目が合って怖かったよ」
お誕生席にどっかりと座ると、すぐさまベルを鳴らして店員を呼び、
2人分のビールを注文した。
「な?オレの予想通りだろ?」
得意げな表情の健太が
とがらせた唇を私の頬に近づける。
拒むでもなく受け入れるでもなくひょうひょうとしている私とは対照的に、
茜はスッと立ち上がると健太の頭を思いっきりひっぱたいた。
「どさくさに紛れてなにやってんだよ!まったく、油断も隙もあったもんじゃない!」
「いーじゃんかよぉ、別にぃ!石ちゃんは独りもんなんだからさぁ」
頭を擦りながら健太が口をとがらせる。
あの音、ぴっぱたいた音、あれはかなり痛かっただろうと同情しながらも
私は腹を抱えて笑った。