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それでも・・愛してる
第15章 充実した休暇・・家を探す
「あ~ビックリした!優太くん、突然ママなんて言うんだもの。
思わず違いますって言いそうになっちゃった」
変な汗出ちゃう、と顔を手で扇ぎながら笑っている私の言葉に、滝川さんも笑った。
「すみませんでした。さっきはお遊戯の練習ができなかったって思ったんですかね。
けっこう度胸あるんだ、優太は。親の私もあらためて子供の力を知りましたよ」
「優太くんならまだまだ名演技ができそうですね。これなら新しい演技も大丈夫かしら」
「どういうことですか?」
ハンバーガーに手を伸ばした滝川さんは、その手をいったん止めて私に問いかけた。
「まずは保育園、ですよね。このへんで見つけられなければ隣りの駅で探しましょう。
その時は今度は優太くんにオバちゃんって呼んでもらわないと」
「え?どうしてですか?」
首をかしげる彼にハンバーガーを勧めながら、
「だって、保育園で私がママになってしまったら本物のママが戻ってきた時に
困るじゃないですか。あの時のママと違うって」