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それでも・・愛してる
第2章 新しく進む道・・
いったんジョッキを置くと、健太が少々真面目な面持ちで私に顔を向けてきた。
「石ちゃんさ、ほんとに結婚する気無いのか?でも彼氏くらいいてもいいだろ?」
またそれか・・
そうも思うが、5年前に聞かれたのと40目前の今とでは、
その言葉の響きが違って聞こえる。
なんだか私が悪い事をしているような気にさえなってしまう。
少し気分が落ち込んだ。
「選び過ぎてんじゃないの?美鈴」
茜は私にむかって枝豆の皮を飛ばしてくる。
負けじと私も飛ばし返すが、なんだか勢いがなく距離が伸びない。
「別に選び過ぎってことはないよ。ただ・・
結婚って言われるとその気がないオーラが出過ぎちゃって、
引いていかれちゃうんだよね」
目の前にいるこの2人は結婚している。
茜は結婚して9年。子供も2人いる。
健太は昨年結婚したばかりで、今奥方のお腹には命が着々と大きく育っているところ。
「オレもねぇ、結婚ってめんどくせえなって思ってたけどさ、
してみるとやっぱいいもんだよ。
オレがこの家庭を守ってるんだって気持ちが明日への活力になるって感じ!」
恥ずかしい!と頭をかきむしりながら感情をあふれさせる彼を見ていたら、
うちの親も結婚したての頃はあんなふうだったのだろうかと、いらぬ想像をしてしまった。