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それでも・・愛してる
第18章 充実した休暇・・その愛を受け入れて
「美鈴・・鏡、見てみ」
言われて鏡を覗き込むと、真っ赤な顔にバサバサな髪がはじけてる。
なんてひどい顔。
初めての思い出に泥を塗りたくったような顏。
泣きたいくらいの恥ずかしさ。
だけどほんとうに泣かずに済んでいるのは、
私達の間には子供の頃からの友情というもののほうが大きく存在しているから、
ではないだろうか。
ソファに腰を下ろした陽斗からも同じような言葉が返ってきた。
「子供の頃からの友だちって、なんの気負いもなくて安心できて・・楽ちんだ。
大人になって心が擦れてしまうその前を、知ってくれてるんだもんな。
今も昔も相変わらずいい男だろ?オレって。なぁんてな」
「よく言うよぉ。でもほんとにその通りだ。
私たちの間には友情もある。それってなんか得したみたい」
コポコポと音をたてて、ドリップしたてのコーヒーの香りが部屋に広がっていくと、
陽斗が鼻をひくひくさせた。