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それでも・・愛してる
第18章 充実した休暇・・その愛を受け入れて

かすれるような声と息づかい。
ふっと体から力が抜けていきそうになった。
ゆっくりと顔をあげ陽斗を仰ぎ見る。
彼の唇がどんどん近づいてきて、目を閉じると同時に
陽斗の柔らかさが感じられた。

彼の首に腕を絡ませ、せがむように体をはりつけたが、

「楽しみはまだ・・」

私のおでこにキスをして体を離す。
拗ねた美鈴もかわいいよ、とかなんとか言いながら。

「意地悪ね」

「まずは美鈴の手料理をご馳走にならないと。そっちが先だ」

久しぶりの事に少々がっついた感が表に出てしまったが、
まずは食事の支度が先だと気を取り直した。
あのまま欲望に突っ走ってしまったら、料理どころじゃなくなってしまう。

部屋着と一緒に用意したタオルを渡し、バスルームへと陽斗を促がしてから
キッチンに戻った。

・・私の手料理、気にいってくれるかな・・

まな板に響く包丁の音がいつもより弾んで聞える。
誰かのために、愛する人のために料理を作る。
誰かが傍にいてくれて、そして自分もその人のために傍にいて
なにかをしてあげたい・・
多佳子の言葉を思い出す。

私にもそう思える相手が見つかったんだ。
40を目前にしてやっと・・


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