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それでも・・愛してる
第19章 祝福の中で
いつもの居酒屋の個室の戸を前に、
今日の雛人形は誰だろう、と想像した。
一人は健太、もう一人は・・私かも・・そう思いながら戸を開けると、
男2人が並んで座る姿に体が引いた。
健太と陽斗が並んで座っていた。
「いやだ、お内裏様が2人になっちゃってるじゃない、ちょっと・・コワいよ」
ひきつった笑顔を見せる私に、得意そうに胸を張ったのは陽斗だった。
「オレの予想があたりだったな。女子は美鈴が一番手だって」
満足そうに何度も頷く陽斗に、横から健太が顔を覗き込む。
「陽斗さぁ・・さっきから石ちゃんのこと美鈴って、言ってるけど・・
あれ・・もしかして・・まさか!」
飛び出そうな目玉で、私の顔と陽斗の顔に慌ただしく交互に視線を送ってくる。
「そうなんだ・・美鈴とオレ・・そういう事だから、よろしくな」