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それでも・・愛してる
第19章 祝福の中で

私と陽斗がかわす幸せ感いっぱいの微笑を見た健太は、
べそでもかきそうな顔つきで、

「そうか、そうなったのか・・よかったな!
 なんかうれしくってオレ泣きそうだよ」

子供の頃のあの幼い恋心を思いやっていた自分のことも、
同時に思い出しちゃったよ、と目を潤ませていた。

きっと事あるごとに陽斗を励まし応援していたのだろう。
子供の頃の鮮明な記憶は、誰しも忘れがたい思い出なのだ。

「ほんとうに・・よかったな、陽斗。石ちゃんも・・2人で幸せになるんだぞ」

「うん・・ありがとう、健ちゃん」

突然こみあげてきた涙。
なんの前触れもなかったのに、勝手に流れ出てしまった。

その私の涙を、陽斗が指でぬぐってくれた。
まだ彼の手のひらが私の頬を包んでいるところで
声と同時に戸が開く音がした。茜だ。

「久しぶり~!・・ってうわぁ~!ちょっと、なにしてんのよぉ!え、えー?」


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