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それでも・・愛してる
第20章 待っていた客
「幸せのお手伝いしてたら自分も幸せになっちゃったなんて。
この仕事してよかったわね、石田さん!」
静江さんの嬉しそうな顔。
彼女の言う通り、この仕事をした事で新しい世界が開けた。
転職の成功、よりも
私がずっとこだわっていた夫婦や家族に対する決めつけが、
絡まった毛糸がスルスルとほどけるかのように、すっきりと平らになっていった。
まるで春の訪れに合わせるかのように。
そして落ち着きを取り戻した頃、
私が一番待っていた人がお客として店を訪ねてくれた。