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それでも・・愛してる
第20章 待っていた客


季節が春から初夏へと、その色を変え始めた頃、
店はようやく落ち着きを取り戻した。
週末でもわりと暇な日もあったりする。

今日は土曜日だが、まだ客は来ない。
そして店には私一人、留守番している。
社長はじめ営業マン達はみな外に出ていて、静江さんも物件の案内に出ている。
このチャンスを逃すことなく、私は陽斗と住む賃貸物件を物色した。


パソコンの画面にむかい、夢中になって次々と物件情報を見ていると、
自動ドアの開く音がしたので顔をあげた。
だが・・誰もいない。
思わず立ち上がると、お遊戯のおねえちゃん!とかわいらしい叫び声が下から聞こえた。

「わぁ!優太くん!いらっしゃい!」

椅子につまづきながら、それでも急いで優太くんに駆け寄ると
またドアの開く音がした。

「こんにちは。ご無沙汰しています」

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