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それでも・・愛してる
第20章 待っていた客
滝川さんだ。
明るい笑顔の滝川さんだ。
その横には・・この人が彼の奥さん。そして優太くんのママ・・
「こんにちは!お元気でしたか?またお会いできて・・嬉しいです」
私の瞳は感激で潤っていたかもしれない。
彼を熱く見つめてしまったかもしれない。
この感動をあれこれ考えて表現するなんて器用な事は出来ない。
感じるまま、そのまま気持ちをあらわにした。
「ええ、おかげさまで。こちらの暮らしにもすっかり慣れて。
紹介します、私の妻です」
その誇らしげな顔を見たら、あの時一瞬よぎった滝川さんへの想いが蘇った。
「滝川涼子です。その節は主人と優太が大変お世話になったそうで・・
ほんとうにありがとうございました」
私が事情を知っていることを知っているからか、少し恥ずかしそうに挨拶をした。
「石田です、はじめまして。こちらこそご主人にはいろいろ教えていただいて・・
さあ、どうぞ、おかけください」
来客用のソファを勧めてから大急ぎでお茶の支度をする。
「すみません、今私一人なもんですから」
そう言い訳をしながら慌ただしくお茶を出すと、
「あの、今日は相談できました。是非石田さんにお願いしたくて、こちらへ」