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それでも・・愛してる
第20章 待っていた客

記入し終えて私に差し向けた用紙に目をやると、希望のエリアは
この松下不動産がある駅から現在住んでいる3つ先の駅までの間、となっている。

「時期なんですけど、急いではいません。
 気にいった物が見つかるまで時間をかけてもいいと思ってます。ただ、
 この子が来年小学校に上がるので、それまでには決めたいと思ってるんですが」

優太くんも来年の春には小学生か。
それまでに家が決まらないと学校も決まらなくなってしまう。
あまりのんびりはしていられない。
杉下さんと横山さんにお願いしなければ。

「かしこまりました。ご希望にそった物件が出次第、その都度ご連絡いたします」

その後参考になれば、といくつかの物件案内をプリントアウトして彼らの前に並べた。
それらを封筒に入れて渡し、私の名刺も差し出した。
そのうち変わってしまうけど。

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