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それでも・・愛してる
第21章 私達の家探し

「実際来て見ないとわからないもんね」

他の部屋や収納の扉を片っ端から開けて中をのぞき、風呂とトイレも2人でのぞく。

「悪くないよ、けっこういいんじゃない?さっきのとこに比べたらね」

陽斗の反応は良い方だ。
私もどちらかと言えばいいなと思える。

窓の方向や周囲の建物を見渡していると、

「部屋を選ぶのってむずかしいし、その案内をするのも大変なんだな」

陽斗も横から顔をだし、周りの様子をゆっくりと見ながら
私の横顔につぶやいた。

「そうよね。すべて完璧に気にいる部屋や家なんて、
 出来上がっているところから選ぶのは難しいし無理だと思う。
 だからどこで妥協できるか、どこは譲れないかっていうのは
 しっかり決めておいてもらわないと、私達も薦めようがないのよね」

あれこれ迷って振り出しに戻る客。
一度決めたのに後からやっぱりこっちって変更する客。
いろんな客を見てきたけど、すんなりと決められる客はみな一様にこだわりをもっていた。
すべてというのは無理だからここだけは、という外したくないポイントが定まっている。

私と陽斗もポイントを決めていた。
広くなくてもいいから明るい部屋。
玄関からも明るさを感じられる、そんな部屋を探そうと決めていた。
その点ではここはまず合格だ。
後は最後の物件がどうか。

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