この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それでも・・愛してる
第21章 私達の家探し
「実際来て見ないとわからないもんね」
他の部屋や収納の扉を片っ端から開けて中をのぞき、風呂とトイレも2人でのぞく。
「悪くないよ、けっこういいんじゃない?さっきのとこに比べたらね」
陽斗の反応は良い方だ。
私もどちらかと言えばいいなと思える。
窓の方向や周囲の建物を見渡していると、
「部屋を選ぶのってむずかしいし、その案内をするのも大変なんだな」
陽斗も横から顔をだし、周りの様子をゆっくりと見ながら
私の横顔につぶやいた。
「そうよね。すべて完璧に気にいる部屋や家なんて、
出来上がっているところから選ぶのは難しいし無理だと思う。
だからどこで妥協できるか、どこは譲れないかっていうのは
しっかり決めておいてもらわないと、私達も薦めようがないのよね」
あれこれ迷って振り出しに戻る客。
一度決めたのに後からやっぱりこっちって変更する客。
いろんな客を見てきたけど、すんなりと決められる客はみな一様にこだわりをもっていた。
すべてというのは無理だからここだけは、という外したくないポイントが定まっている。
私と陽斗もポイントを決めていた。
広くなくてもいいから明るい部屋。
玄関からも明るさを感じられる、そんな部屋を探そうと決めていた。
その点ではここはまず合格だ。
後は最後の物件がどうか。