この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それでも・・愛してる
第21章 私達の家探し
「では、こちらのお部屋でよろしいですね?」
不動産屋としての顔で彼に声をかけ、次に
借りるお客として2人でハイ!と声をあげた。
大役を終えると、ベランダに2人並んで立ち、わりと良い景色を眺めながら、
仕事も忘れて風に吹かれた。
「よかったね、素敵な部屋が見つかって。
これまで部屋を案内してきた結婚前のカップルの気持ち、ようやくわかった・・
その一言もその一歩も幸せでしょうがないんですって感じが嫌だったけど・・
こうして自分のその立場になってみるとさ、何見ても幸せって
思えるもんね・・なんてね!」
前を向いたまま笑っている陽斗の横顔・・
なんかかっこよくって・・惚れ直した。
「ここに・・この部屋に明かりが灯るんだね・・私達家族の灯り・・」
夜の電車から見えた家々の灯り。
自分の部屋の窓から見える隣りのマンションの灯り・・
それぞれの家庭が、夜になると明かりを灯し、そこに家族が集まる。