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それでも・・愛してる
第21章 私達の家探し
「どうだった?お部屋、いいのあった?」
店に戻ると静江さんが再びお茶を入れて陽斗に勧めた。
「はい、決めました、この・・部屋です」
申込用紙に記入している手を止め、陽斗が物件を指差した。
写真を見た静江さんは、やっぱりという顔をした。
「私もね、いいと思ってたのよこれ。
石田さんの部屋を見つけるセンスもなかなかいいのよね。どう?彼女の仕事ぶりは」
私が電話で手が離せない事をいいことに、静江さんは陽斗にあれこれ話しかけている。
「がんばったなって、思います。最初の頃はよく落ち込んでましたけどね」
手を止め、その手を見つめながらうっすらと笑う彼に、静江さんがこそっと話す。
「ここに来た頃は結婚なんて興味なしって言ってたけど、
こんな素敵な男性に口説かれたらコロッといっちゃうわよねぇ」
「聞こえてますよ!静江さん」