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それでも・・愛してる
第2章 新しく進む道・・
すかさず多佳子が口をとがらせ抗議する。
謝る義兄とむくれる姉の、いちゃついた感じのやり取りをぼんやりと眺めながら、
ちょっとやってみるか・・そんな気持ちを膨らませていった。
まずはパートでいい。
とりあえずやってみて、先の事はそれから考えればいい。
当面の生活費くらい、蓄えで何とかなるし。
「お義兄さん、私、やってみようかと思う」
私の声に2人はいっせいに振り返る。
「まずはパートでいいわよ、だってできるかどうかわかんないし。
とりあえずやってみるわ。紹介、よろしくお願いします」
いつもにもまして艶やかな笑みを向けると、伸幸は上気した様子でうんうんと頷いた。
隣りに座る多佳子はもはや諦めの表情。
でもすぐに、前に踏み出すことを応援してくれた。
進む先にはどんな世界が待っているのだろうかと考えると、
不安以上に期待と楽しみが私の中で広がり始めた。