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それでも・・愛してる
第2章 新しく進む道・・
その店は、偶然にも私が住む街の2つ先の駅前にあった。
メモを片手に駅ビルの中を探して歩くと
わりと目立つ場所にその看板を見つけた。
「松下不動産」
デパートと違って、店の中にはお客は誰もいない。
そりゃそうだ。
売っているものはそう簡単に買えるものじゃないし、
借りるものだってそうしょっちゅう借りるものじゃない。
入り口でフッと息を吐いて気合いを入れてから一歩を踏み出す。
自動ドアの音に反応して中から人が出てきた。
「いらっしゃいませ」
・・わぁ、このおばさん歳いってるねぇ・・
失礼な印象を持ったことを隠すかのように、
これまで店で見せてきた人当たりのいい笑顔を向けてから、ゆっくりと頭を下げた。
「こんにちは。わたくし、本日面接のお約束をしております、石田美鈴と申します」