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それでも・・愛してる
第22章 最終章:私たちの灯り
「べ、別に何も。それより昨日健太に手伝ってもらってよかったよな」
一気に話題を逸らしてなにもなかったかのようにふるまっている姿を、
こっそりと笑った。
「そうだね、男2人いるとやっぱり楽できる。おかげで筋肉痛にならずにすんだわ」
土曜日休みの健太が一日手伝ってくれたおかげで、重たい家具を相手にせずに済んだ。
家具は新しく買い換えた。
それは陽斗のたっての希望。
自分の家のものは結婚していた時に使っていた物。
それを使うことは絶対に嫌だ、とすべて処分してしまった。
だから持ってきたのは私が使っていたお気に入りのごくわずかだけ。
2人で始める新しい生活に、過去を持ち込みたくなかったのは、私への気遣いなのだろう。
「オレは2度目だけど・・美鈴は初めてなんだからさ。新しいものを使おう」
陽斗はどこまでも・・優しかった。