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それでも・・愛してる
第22章 最終章:私たちの灯り
区役所で婚姻届をだし、駅前の行きなれた店で夕食を済ませた。
2日間の休みをめいっぱい働いて過ごしたのだから、
早めに帰ってゆっくり休もうと食事は簡単に済ませ、
スーパーで少し買物をしてから家路についた。
歩いて5分という時間はありがたい。
だから帰り道の緩やかな坂道くらい、苦にならない。
坂道を登り切って、私達2人の家を見上げると・・
マンションの2階のその窓が、
明々と光を放っているではないか。
まさか泥棒?
陽斗の右腕を両手でギュッと握りしめる。
すると彼は、夜の静けさに響かないような小さな笑い声をあげて、私の手をポンと叩いた。
「心配すんな。出る時電気つけてきたんだよ」
「え?なんで?」
「2人で見てみたかったんだ。オレたちの灯す明かりを」