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それでも・・愛してる
第22章 最終章:私たちの灯り
光の漏れる窓を見上げている彼の横顔は、穏やか、というよりは
気合みたいなものを感じる。
しっかりと前を見据えた、眼差し・・
「これからはどちらかが先に明かりをつけて互いを待つわけだろ。
どちらか一人しか見られない。まあ、今日みたいに電気つけて外出すりゃ見られるけど。
でも今夜は特別な夜だ。2人の家に初めて明かりを灯す夜だ。
だから2人で見てみたかったんだよ」
「陽斗・・」
彼の腕を握る手にさらに力がこもった。
もう何も考えられないくらいうれしい。だけど・・
「そこまで大切に想ってくれるなんて・・感謝してもしきれない・・だけど・・
そんなに力を入れなくてもいいわよ。がんばりすぎなくてもいい。
私はね、陽斗に幸せにしてもらいたい、とは思ってない。
一緒に並んで幸せだねって言えればそれでいいの」
私もしっかりと明るい窓を見上げた。