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それでも・・愛してる
第2章 新しく進む道・・

面接、その言葉に敏感に反応したおばさんは、すぐさま奥に向かって叫びだす。

「社長!お見えになりましたよ!」

パタパタとサンダルの音を響かせながら奥に引っ込み、
そして一拍くらいの間で再び顔を出したおばさんの後ろから、
ひょろっとした男がついて出てきた。

歳の頃なら50代後半、といったところか。
私の顔を見ると、えっ?っと驚きを表すように目を大きく開いた。

「あの・・あなたが石田美鈴さん?」

そう尋ねられて、だからそう言っただろうって、少し顔に出してやった。

「はい、そうですが・・あの、なにか?」

言い返された男は、

「いやぁ、こんな若い美人だなんて、思ってもみなかったんで。
 もうすぐ40って聞いてたからもっと・・落ちついた人かと・・」

・・またそれか、もう聞き飽きたよ・・

美人だ美人だって、見りゃわかるんだからいちいち言わなくても・・
年齢を重ね、図々しさが身についてくると並行して謙虚さも忘れはじめた。
褒めてもらえるのはありがたいことだけど、それだけの事だから・・


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