この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それでも・・愛してる
第4章 一歩、踏み出す・・
静江さんの隣りで持参した弁当をひろげながら、お世辞の主、横山さんに視線を送る。
「え?石田さん、40なの?えー!全然見えないよ、ウソでしょ?」
横から杉下さんが身を乗り出してまくしたてたので、
まだ39です!って口をとがらせた。
横山さんも杉下さんも、スムーズに進む会話に気をよくしているのか、
頬は目いっぱい緩んでいる。
その様子を見て、ジェラシーを感じたのか静江さんが少し眉を吊り上げて言う。
「でもねぇ、こんな美人なのに結婚の予定無いんですってよ。
石田さん、選びすぎなんじゃないの?」
・・う!こういうの、女の冷ややかな戦いっていうのかしら・・
「そんなこと、ないんです!私本当にする気がないんですよ、結婚。
ここまで一人になれちゃうと気楽で気楽で。
姉にもよく言われるんですけどね、早く結婚しろって」
どこに行っても必ずと言っていいほど話題に上る。
歳を取るイコール結婚。
それしかないのか?選択肢は・・
いい加減にして!
そう思っても口に出して言うわけにもいかない。
これが世の中の当たり前なんだと諦めるしかない。