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それでも・・愛してる
第4章 一歩、踏み出す・・

「意外とさぁ・・」

淀んだ感のある沈黙を破り、声を出したのは杉下さんだった。

「意外とさぁ、美人のほうが独りでいるんだよねぇ・・
 狙っても、みんな無理だった諦めて手出さないでいたら実は独りだった、
 なんていうのが多いんじゃない?
 あ~あ、僕が独身だったらよかったんだけどなぁ」

おにぎりをもぐもぐさせながら天井を見やる。
その隣で静かに頷いていた横山さんも、なぜか肩を落としている。

2人を見て笑う私の口元は、意地悪く歪んでいた。

そんなやり取りを見ていた社長が、

「何事も縁、ご縁ってもんですよ。
 そういうめぐりあわせになっていれば出会いがありますよ、きっと。
 なんたってほら、ここにも縁あって加わってくれたわけだし」

社長は自分の言葉に酔いしれているようだが、でもまさにその通りだと思う。
縁があるから出会いがある。
出会いがあって縁ができる・・

この集団を端からじっくりと眺めてみる。
しみじみとした言葉をありがたく噛みしめられるのは、
真の大人の集まりだからだと、
仕事以外の成長も期待できる、と思った。



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