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それでも・・愛してる
第1章 記憶・・

家庭内別居。

そう言うんだって知ったのは中学生になってから。
美容室にある週刊誌を大人ぶって手にした時に、その記事を目にした。

・・夫婦でいながら、同じ屋根の下で暮らしながら、でも心が離れている・・

夫婦として成り立っていないってこと。
夜も別々の部屋で寝るんだって・・

「ねぇ、おねえちゃん、それってどういうことなの?
 一緒に寝たほうが、いいんだよね?」

大学生になった姉は、その意味がよく解っていたのだろう。
少し頬を赤らめた。

「まだみーちゃんはそんな事わからなくていいのよ。大人になってからで」

「美鈴だって、もうすぐ大人になるよ、中3だもん。
 それに男の子にコクられるたびに恋愛って感じるの、わかるもん」

姉はじっと私の瞳を見つめて、そして静かに首を振った。

「そんな簡単な事じゃないのよ」

吐き出したため息が、凍っていきそう・・
姉は私に語り始めた。

「お父さんとお母さんはね・・
 もう夫婦でいられなくなったのよ・・」


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