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それでも・・愛してる
第1章 記憶・・
「それ・・離婚するって・・こと?」
それくらいの事、知っている。中3にもなれば・・
同級生にも親が離婚したっていう子、何人かいるし。でもまさか・・
うちが・・うちの両親が・・?
「もうそういう事、解ってるんなら・・
今すぐじゃないみたいだけど、そういう事になるよ、たぶん・・
でもみーちゃんと離ればなれにはならないから大丈夫、お姉ちゃんと一緒だから、ね」
そう言って私の頭を撫でる姉・・
自分の感情を押し殺しているようなその瞳、それも忘れられない・・
あの小5の夏休み以来、家族の思い出なんかこれっぽっちもできなかった。
4人そろって出かけるなんて、親戚の結婚式や葬式くらい。
その時だけのわざとらしい夫婦ごっこ。
思い出しただけでもムカムカくる。
普段はその存在すら認めないかのようなのに、
親戚の前ではごく普通の夫婦を演じる。
信じらんない・・よくできるよな・・・