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第5章 陽斗からの誘い・・

「望月くんのほうは・・どう？」

アルコールのおかげもあるのだろうが、この前の夜みたいに寂しげな色はない。


「うん・・先週の土曜日にね、離婚届出してきたんだ。これではれてシングルだ」

ちょっとおどけた感じの陽斗が、切ない・・

「でも子供にはちゃんと会える。離婚したってオレが父親であることは
　一生変わらないんだからね。できる限りの事をしないと」

父親、か・・
陽斗もうちの父とおんなじ、子を持つ親なんだよね・・
そんな陽斗が離婚する・・
父とダブって見えた。


自分を犠牲にしてまで人生の貴重な時間を使うこともないだろうが、
それに付き合わされる子供はまだほんの５歳・・
かわいそうだと思う反面、私のように１０歳から１８歳までの長い時間、
大人の勝手に付き合わされるよりマシなんじゃないか・・
会ったことのない陽斗の娘にガンバレ、とテレパシーを送った。