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それでも・・愛してる
第5章 陽斗からの誘い・・
静まりかえった遊園地の横を通り過ぎて駅へと向かう。
車が通らない時には2人の靴音だけがコツコツ響く。
その靴音の一つが止まる。
少しずれてからもう一つの靴音も止まる。
「・・美鈴・・今夜・・おまえの部屋に行ってもいいか?・・・」
そう言ったきり顔をあげない陽斗に、
感情的にならずに、それこそ諭すように囁く。
「・・望月くんらしくないよ・・
勢いに任せるみたいな事、するような人じゃないって、わかってるから・・
今の言葉、聞かなかった事にする・・忘れるから・・」
そっと・・
彼の手を握って、彼の手を引くようにして、
駅への道に再び靴音を響かせた。