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それでも・・愛してる
第6章 案内デビュー
その部屋は、外から見た感じはごく普通のアパートだが、
中に入るとリフォームが施されていているからか、
思いのほかきれいで使い勝手が良さそうだった。
お客の男も数少ない扉を片っ端から開けてみたりしていた。
「あ、ここがお風呂と・・あら、トイレと別々になってるんですね、
わぁ!イイじゃないですか。こういう方が使いやすいですよね」
男の後ろから扉の奥を覗き込む。
自分が借りるわけじゃないのにいろいろと想像が膨らむ。
トイレットペーパーは籐の籠にいれたらかわいいかなぁとか、
バスルームの小物は薄いピンクで統一しようかなぁとか。
こじんまりしたキッチンの前に立って要る男がモジモジしながら聞いてきた。
「このキッチン、女性には使い勝手はどうでしょう?石田さんはどう思います?」
女性?なんでよ?と聞かれた瞬間は怪訝な顔を見せてしまったが、
さっき言ってたじゃないか。彼女、いるんだって。