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それでも・・愛してる
第6章 案内デビュー

彼女が遊びに来た時にこのキッチンを気に入ってくれるだろうか、と
それを心配しているわけか。
だから女性である私に意見を求めてきたということか。

その時、静江さんの言葉を思い出した。

・・あなたもいろいろ聞いたでしょ?・・

そうか、そういうことか。
そのおんなじ目線で相手に答えてあげればいいのね・・

「小さめですけど、悪くないと思いますよ。物を置くスペースもちゃんとあるし。
 それにあんまり大きすぎるとお掃除も大変じゃないかしら?
 一人暮らし用には十分だと思います」

ニッコリとほほ笑むと、男も納得の表情を見せた。
恋人も気にいると思いますよと付け加えると、
男はさらに表情をくずして笑った。

・・ふうん、部屋の案内をするって、こういうことでいいのか。
なにをどうしていいかさっぱりわからないって、思いながらここまできたけど、
その人がなにを求めているか、なにに重きを置いているのか、
それに対して答えを導き出してあげればいいってことか・・

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