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それでも・・愛してる
第7章 定例会での告白・・
「おお、陽斗、やっと来たか。
おい見てくれよ、石ちゃんなんか赤くなってんだよね」
「ほんと、どうしたの?まだ何も話してないのにさ、なんかあったの?良い事でも」
正面の由香里も首をかしげてるし、隣りに座る茜も顔近づけて覗き込んでくる。
逆隣りに座った陽斗だけが、普通にしていた。
「べ、別になんでもないわよ。いやだわぁ、もう更年期かしら」
かなり無理のある言い訳に、そんなわけないじゃんと、茜が横から体を押してきた。
はずみで陽斗にぶつかった。
ごめん、と下から彼の顔に目をやると、大丈夫、とゆっくりと口元を緩めた。
そう、陽斗と会うのはあの2度目の夜以来。
何度かメールはやり取りしたけど、忙しかったのか、会うことはできなかった。
あの夜以来・・
だから余計に緊張していたのかもしれない。
突然2人の間に秘密ができてしまって、そのことが
今までとは違う空気を2人の間に漂わせてしまった。
5人でこうして顔を合わせていても、心の片隅には
陽斗と2人だけが解りあえる感を持ってしまっていることは、素直に認める・・
「まあまあ、美鈴の話はゆっくり聞くとして、まずは乾杯しましょうかね」
由香里の声に我に返ると、みんながいつもの笑顔でジョッキを持ち上げている。
・・普段通りに普段通りに・・
気を取り直し、一番大きな声で乾杯、と声をあげた。