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それでも・・愛してる
第7章 定例会での告白・・
「仕方ないって、簡単には言いたくないけどさ・・
そういう結果になってしまったんならまた方向を変えて、
新しい生き方を見つけるしかないよな・・ガンバレよ、陽斗」
いつもヘラヘラしている健太にしては、やけに言葉に重みを感じさせる。
今度は健太の顔を正面からぼんやり見つめた。
せっかくの集まりの席を暗い雰囲気にしてしまった事を申し訳なく思ったのか、
陽斗が無理やり明るい声をあげる。
「ってなわけで谷口君、この席はキミには譲れないなぁ。
なんたってオレは石ちゃんとおんなじ、独りもんなんだから!」
えへへぇ~と高らかに笑う陽斗を見つめるみんなの瞳は辛そうだった。
けど、私は陽斗の気持ちを、辛さを、みんなよりも先に知っている。
だから心には多少のゆとりがある。
ここは陽斗に付き合ってやらないと・・
「そうだよね~独りもん仲間だもんね~」
陽斗に調子を合わせ、緩い空気をまき散らす。
それを見た仲間たちからはため息とも笑いともつかない息がこぼれ落ちた。
「よしっ!じゃあ今夜は望月くんの新たな人生を応援する会に変更して・・カンパイ!」
一人で勝手に声をかけ、さっさとビールを口に運ぶ由香里に追いつけとばかりに
それぞれがカンパイと声をあげた。