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それでも・・愛してる
第8章 比べてみても・・
「長年の習慣を変えるのって、時間かかるんだなぁって、ちょっと驚きました。
でも今ではなんとか。これもみんな静江さんのおかげです」
淹れてきたコーヒーを静江さんの前に置きながら、ぺこりと頭を下げた。
「なに言ってんの、石田さんが努力してるからよ。それにね」
静江さんはうふっと笑ってからコーヒーを一口すすり、
「正直言うと・・美人ってお高く留まっているみたいに思い込んでいたけど・・
ほら、周りにそういう人、いなかったからさ。
でも石田さんはなんでもやってくれる。キッチンのお掃除なんて手出さないかしらって
思ってたけど、こまめにやってくれるし、細かいとこにも目が届いてるし。
それに加えて天然なんだから、なんか妙に安心しちゃったわよ」
言い終わると私の二の腕をポンとたたいて、距離の近さをアピールしてくれた。
照れ隠しに私もコーヒーをすする。
美人って、得もするけど損もする。
こういうイメージで。
だから人類みな平等ってこと。
美人だろうがそうじゃなかろうが、裕福だろうがそうじゃなかろうが、
人間だれしもプラスとマイナスを持っている。そういうこと。