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-蜜姫-
第5章 -第四章-
………それにしても、この館は何部屋あるんだろう?
キョロキョロ周りを見てる雪乃を紫乃は優しく微笑む。
「雪乃様。
これからは こちらが雪乃様のお部屋になります。」
部屋に案内された雪乃は 目を見開く。
「この部屋は………!」
その部屋は 村井家にあった雪乃の部屋より広いが ほぼそのままだった。
花柄のレースとカーテン。
机や家具、本棚やその中にある本。
大好きなテディベアのヌイグルミ。
それに お気に入りの白いベッド……は、何故かシングルからダブルベッドサイズになっていた。
雪乃はテディベアを抱き締める。
ほんの数日離れてただけなのに、とても懐かしい………。
テディベアは、私の大好きな匂いがする。
「雪乃様らしく、可愛らしいお部屋ですね。
今夜から グッスリ眠れますわね?
あと、こちらのクローゼットには雪乃様の服を掛けてありますわ。
そして こちらのドアの奥には、 ユニットバスがございます。
広い浴室は 廊下を出て 左側にありますわ。」
「ありがとうございます。紫乃さん。」
雪乃はテディベアを抱き締めたまま、紫乃にお礼を言う。
「お礼なら、雅人様に言ってください。
雪乃様が過ごしやすいようにと、雅人様が色々と手配して下さったのですから。」
「……そうなの?」
「はい。
雅人様は いつでも雪乃様を一番に考えてらっしゃいますよ?」
「………………」
雪乃は 顔を赤らめる。
クスクス笑いながら、紫乃は
「では、お食事の用意が出来ましたら お呼びしますね?
それまで、ごゆっくりお過ごし下さいませ。
私はこれで、失礼します。」
そう言うと、紫乃は部屋を出ていった。